マウス個別面談

Microsoft IntelliMouse 1.1A 後期型 (OEM 1.1A 後期型)

Microsoft Mice Explorer
メーカー Microsoft
ボタン数 3ボタン
ホイール 1ホイール
エンコーダー 2軸ロータリーエンコーダ
トラッキング解像度 400dpi
コネクタ PS/2

90年代の決定版

このマウスを知らない人はいないと思います。 Microsoftが作った最高傑作マウス「IntelliMouse」です。

当時、IntelliMouseはその握りやすい なすび型の形状と、 Microsoftで(多分)始めた採用されたスクロールホイールで、 一度使ったら離れなれなくなる魅力がありました。

同時期に人気を二分したのが、Logitech First Mouse+で、 こちらも甲乙付けがたい出来でした。 猫は当時もプログラマでしたが、 社内はLogitech派とMicrosoft派に二分されていました。 今なおこの2ブランドがインターフェイス市場では一段高いブランド力をもつのは 猫にはこれらのマウスのお陰だと思っています。

握りやすいなすび形状

本機のなすび形状はとても握りやすいです。 本機が登場した当時、猫はその握りやすさに感動したものです。 それまでのPC付属のマウスとはあまりに違うハイレベルの持ち心地に、 握っただけでファンになってしまった人も多かったのではないでしょうか。

マウスを持ちやすくする定番の形状として、 マウスの底面に行くに従って窄まってく形状(断面が逆さ台形になるやつですね) が有るのですが、本機は潔くすとんとまっすぐに落ちていきます。 「台形論理」では持ちにくい形状ということになるのですが、 本機は台形に頼らなくても十二分に持ちやすいのです。

その秘密はお尻の丸い部分。 しかしお尻の丸い部分のお陰で親指の付け根と小指の付け根で マウスをしっかり「握る」ことが出来ます。 そしてマウスをしっかりと「握った」状態でもすべての指がフリーになるため クリックにより本体がぶれてしまうようなことも置きにくくなっています。 本当によく考えられた形状です。

不思議なことに、本機を使っているとボール式マウスであることが心地よいと感じます。 指の下に直接触れられないボールの感触を確かに感じます。 ボールとの一体感のあるマウスといいましょうか、 コロコロコロというかすかな振動に この光学式全盛の時代でも「ボール式マウスっていいものねぇ」と、 そんなことを考えてしまうのもこのなすびボディのおかげです。

高い質感

おもえばIntelliMouseの頃は、製品の質感・バランス、そして「違いのわかる市場」の形成と、 ポインティングデバイス界の 一つの黄金期だったように思えます。

マウス普及率の向上により、「扱いやすさ」へのノウハウが貯まりつつも、 そのノウハウをコストダウンに振り向けず、ひたすら高品質にだけ振り向けられた。 そうして作られた「良いモノ」を市場がちゃんと評価できた時代。 InitelliMouseの質感は現在の Microsoft製マウスの否ではありません。

メインストリームに位置するランク・お値段ながら 筐体の剛性、マイクロスイッチによる心地よいクリック感、 まさにフラグシップ級です。

ホイールの感触はコリコリした感じで クリック感は派手ではないモノのくっきりしています。 現在、Microsoftはもっとクリック感の無い「眠い」感触に チューニングしていて、このIntelliMouseのホイール感とは 全く違う感触になっています。 むしろ現在のLogitechのホイール感触のほうが近いと思いますが、 比べてみればIntelliMouseのホイール感触にはより高級感があり好ましく感じます。

そしてマウスは「買う」デバイスになった

キーボードマニアの猫としては、 どちらもPC標準添付デバイスでありながら、 「自分にあったデバイス」を買い直すのが当たり前になったマウスに 嫉妬すら覚えます。

こうした市場を作ったのは、 誰がなんと言おうとこのIntelliMouse と LogitechのFirstMouse+だったと 猫は断言します。 それほどにこの二種は 当時のパソコンに標準添付されたマウスとは雲泥の操作感・品質をもっていました。 周りの人だ導入したこれらの機体の評判は、 「マウスを自前のものに変える」ユーザを増やしていきました。 こうして「マウスを買い換える」ことがマニアの楽しみではなく 一般のモノなっていったのです。

しかし、当のMicrosoftは最近入力デバイスの質には あまり気を配らなくなってしまいました。 現行のMicrosoftマウスの質感は軽くて剛性が無く、 ボタンもタクトスイッチとなり、 あまりの安っぽさに IntelliMouseを知る猫としては ショックを受けます。 デザインも形状も、機能もコンセプトも悪くないのに 今のMicrosoftマウスには決定的に質感が足りないのです。

IntelliMouseの作ったブランド力を食いつぶす様なことをしていると、 いつか「その他サプライメーカ」とおなじ地位まで引きずりおろされますよ、 と忠告しつつも、 猫は今なおIntelliMouseの使用感に酔いしれるのです。 ああ、このマウスあればMicrosoftなくなっちゃってもいいや

紛れもない名機です。

各部の詳細

表 魅惑のなすびボディです。ん〜っ、素敵♪

ちなみに猫のはゲートウェイへのOEM供給品です。 正規品を愛する散在猫が珍しくOEM品を入手しているのは、 理由はなんと言ってもかわいい牛さん模様なのですが、 リテール品のツルツルの表面仕上げが 好きではないから、というのも大きいです。

それにしてもシンプルな形の組合せでこんなに持ちやすい このデザインをした方って本当に凄いと思います。
後ろ シンプルに見える本機の微妙な局面が垣間見れる後ろ姿。 なんだかキュートなおしりです。
右側面 左側にくらべ若干低くなっている右側ですが、 殆どその違いはわかりません。

好みは色々あるけれど猫にはこれくらいの控えめなエルゴが丁度良く感じます。
左側面 丸いお尻が飛び出る左側です。
この写真からじゃ飛び出具合は解りませんが・・・。
前 フロントです。

ん〜、、コメントが思いつかない。(^^;
裏 マウスの底面はウォータラインですから、 形状がもっとも把握しやすい面でもあります。というわけで見事ななすびシルエット。
ちなみに本機はOEM版 1.1A 後期型なのでネジが下の摺動板の下に隠されていて見えません。

IntelliMouseのバリエーションについてはのぐ獣さんちが とても秀逸なので、まだ見てない人はぜひぜひ。

ボールの位置が丁度握った手の中指・薬指の第二節の真下に来る感じで、 お尻グリップの良さと併せて、ボールをハンドパワーで固定しながら操っているかのよう。
ボールの振動が嬉しく思えるマウスです。
ラベル ラベルです。 本機は1.1Aの後期型です。

若干の合理化(低コスト化)が施されているのですが、 ホイールの光学化という大きな改善と、 OMRON製マイクロスイッチ採用(1.2からはタクトスイッチになってしまう (一部例外アリ)と、 良いとこ採りといった感じです。
猫の独断と偏見では、OEM版Intelil Mouseの中では一番美味しいモデルだと思います。 (マグロの中落ちみたいなモンです)
ボタン 上面がまっすぐになるようには握らないのがIntelliMouseです。

右側のボタンを大きくとってあるのが嬉しい配慮。 とてもシンプルな曲線なのですが、心遣いが充ち満ちています。
ボールを外す ボールをハズしてみます。

本機のロータリエンコーダはかなり具合が良くて、 ボール式ながらトラブルが発生し難い優秀なモノ。
グラビア 今更何をいわんやですが、本当に優れたマウスです。
本機とLogitech の First Mouse+ がシェアを争っていた90年代後半はなんて幸せな時代だったのかと 今更ながら思います。

ちなみに本機もライバルFirst Mouse+も未だに現役ですが、 コストダウンにより当時のものよりは落ちてしまうのが悲しいです。 でも、名機をいつまでも作り続けてくれることには 感謝しなくちゃねぇと思うのです。

なすび最高にゃ〜♪

<総合評価>

握りの気持ちよさ この握り心地は芸術です。
カーソルの滑らかさ (未評価)
本体の質感 最高ランクの質感です。
操作の疲れにくさ 親指・小指の付け根でしっかりホールドできるため疲れにくいです。
コストパフォーマンス この品質でこのお値段。奇跡です。
三猫のおすすめ度 ★★★★★
とてもおすすめです。というより入手は義務です。 光学式でない、という欠点は抱えていますが、 まめなお手入れさえ欠かさなければ現代でも全く問題はないでしょう。 猫は本機を持っていないインプットデバイスマニアはモグリだと認定してしまいます。