♪キィ〜ング! キィ〜ング! キングゲ〜イナ〜〜!
くぅ〜〜〜っ、燃えるぅ〜〜〜〜!!
と、いうわけで
遂にそのベールを脱ぎました、「オーバーマン キングゲイナー」特別先行の第一話レポートです。
すっごい!面白い!燃える!な凄い奴です。
「オーバーマン キングゲイナー」は機動戦士ガンダムの富野由悠季監督の
最新作です。
このキングゲイナー、解脱トミノ監督の最新作らしく、 明るさ、希望感にあふれ、娯楽性にすぐれた名作の予感著しい期待作です。
その燃える予感を如実に表すのが主題歌です。
その名も「キングゲイナー・オーバー!」です。
書き出しで猫も歌っていましたが、富野由悠季と田中公平という
在る意味以外な組み合わせです。
が、燃える〜!、最高に燃えるテーマソングです。
キングゲイナーは、トミノものに多い閉塞感がない
非常に拡散・解放かんのある作劇になってるとおもいます。
そういうテーマだからこそ、こんな弾けた主題歌になったのでしょう。
これはカラオケが楽しみです♪
ここんとこ、毎度定石を破り続けているトミノもののメカデザですが、
全作のヒゲにつづき今度は髪の毛つきです。
とはいえ、動いてみればメチャクチャ格好良くなるのがトミノものの定石、
今回のキングゲイナーも恐ろしいほど格好いいです。
ヒトのようなシルエット・動きをもったオーバーマン、 フォトンマットという独自の飛行原理、シルエットエンジンという新たな世界観は、 言葉だけをならべると嘘っぽくも空々しくもありますが、 この第一話でぐりぐり動いている所をみせられると、その新しい世界観にただただ、 のめりこんでいくばかり、さすがです。
特に「髪の毛のようなシルエット」と「フォトンマット」という演出効果は、 髪を振り乱したデザインを恐ろしく格好良く感じさせます。
ガンダム、イデオン、ダンバイン、ブレンパワード、そしてターンAと、
トミノ監督は以前のロボット像をうけつぐことなく、あたらしいロボットの世界観を
構築してしまう、そういった才覚あふれる監督なのね、と再認識させられました。
こういうアイデアの宝庫のような監督だからこそ、
20年以上もガンダムに縛り付けられたことを苦痛と感じ、精神的においつめられてしまったのでしょうね。
第一話のクォリティの高さは、トミノ監督ならではといえるものです。
ブレンしかり、ターンAしかり、トミノものの第一話はどうしてこう心をワクワクさせるのでしょう?
いきなりあたりまえのように使われる世界観用語は、
病んでいた頃のトミノさんでは、ひたすら不快で世界観移入を妨げるところがありましたが、
ターンAからは映画的に観客をぐいぐい世界にひっぱていく良い方向で用いられ、
このキングゲイナーでも抜群の効果を生んでいます。
開幕は寒い国の暖かい部屋を連想させるところで、
ひとりの少女が歴史の本を読んでいるところから始まります。
「物語」の導入部を連想させますが、作劇とあいまってその導入部はいかにも映画的です。
ターンAの一話出だしと勝るとも劣らない引き込む魅力を持っています。
この世界では、環境破壊の反省から、 環境の良い土地を動植物にゆずり、生き物が生息しづらい僻地にドーム状の都市を建設して人が暮らしています。
そうゆうなかで、ドーム都市を脱出し、暖かい土地に相撲という運動「エクソダス」が起き、 それが物語の中核やテーマにつながっていくことを予感させるなんとも 魅惑的な設定です。
F91の「貴族主義」にしろ、ターンAの「闘争本能」にしろ、 小説媒体のような情報量の多いもので説明されれば、きわめてリアリティのある概念でも アニメの作劇でみせられると老人の狂言にしか聞こえない面は確かにあります。
それは私たち視聴者の感性が矮小だからであるからなのでしょうが、
視聴者が咀嚼できない物語をつくる監督も罪なのでしょう。
ターンAの「闘争本能」は、在る意味ストーリを希望の名の下に「おとぎ話」におとしこむために
必要な嘘っぽさであったとは思います。
が、ことキングゲイナーの第一話を見た後では、ターンAですら
トミノ監督にはガンダムという思い枷があったことを感じさせてしまいます。
つまり、突飛にきこえても見れば納得させてしまう力を キングゲイナーはもっているのです。
さて、トミノもののご多分に漏れず主人公が冤罪でつかまってしまうシーンが
このキングゲイナーにもあります。
しかし、Zのカミーユのような鬱屈したところが無く、
とにかく健康的に話がすすむあたり同じ監督・状況でもこうも違うんだな、と思いました。
エンターテイメントとしての側面を切り捨ててないとはこういう事なのでしょうか?
ただこの捕まっているシーンで、パンを囚人で分け合うシーンがあるのですが、
いかにも共産的なことをさせられているあたり、
コレを左批判と見るか、困窮状況での一般行動とみるかで、
大きく好悪がわかれるところだとおもいます。
それと対になっているのか「不平はたらすが行動しないのがドームピープルの習性」という
ゲインのセリフも、思想的テーマの片鱗を感じることが出来ます。
このテーマがどのように扱われるか、楽しみです。
キャラもメカも動く動く!
もともと演出力には抜群のトミノ監督ですが、
このキングゲイナーはその力が100%発揮されています。
どんな矛盾も演出力でねじ伏せてしまいうと錯覚させるまでの凄まじい力です。
とくに目まぐるしく進むストーリを、 忙しいと感じさせずに作劇演出でテンポよく引っ張っていく点は圧巻です。 止まらない作劇といいますか、トミノ監督曰く 「舞台とか関係なく、作劇の演出はこういうもの」という動く演技の演出は はっきりいって、アニメのお約束で手を抜くような事はしません。
そして演出が世界観を如実に語ってしまうので、よくわからなくっても
見ているウチに「キングゲイナー」の世界につつまれてしまう、そういった力を持ってます。
世界観を語る演出というのは、例えばブレンパワードではアンチボディの挙動であったし、
オーガニックプレートの挙動であったりするのですが、ブレンパワードでは
そういったアイデア対し実際の作劇が追いついていなかった感がありました。
しかし、このキングゲイナーでは、
十二分にシルエットエンジン/オーバーマンの挙動を魅力的に演出できてます。
また、キングゲイナーという恥ずかしい名前も、
主人公ゲイナーが、ゲームでキングの称号をとったので、調子に乗ってつけたものと
理由づけし、またそんな名前を名乗ってしまったばっかりに
「あなた、キングなんでしょう?」とか「名前ばっかりか、おまえは!」とか
散々いわれてしまうなど、心情描写が世界観に対しリアルで、忠実です。
この演出でいかにもスーパーロボット然としたキングゲイナーに
リアルさを与えていて、ガンダム世代にもみじんの拒絶感を与えません。
スーパーロボットを造るといいつつも現実感を十二分にもたせる。
そういうところがまたトミノものの最大の魅力の一つでしょう。
キャラクターの心情描写など、かたれないことはいっぱいある状況なのですが、 とにかく視聴してみた結果は、演出にのまれて「面白い」としか感じないという 異常な状況におかれていました。
状況的には右も左もわからなくても「それで?それで?」と先を見たくなる、 言ってみれば素晴らしい映画の出だしだけみたところで退出させられたような酷い状況です。
猫としましてはブレンパワードの傑作話「ジョナサンの刃」のような すばらしい話を嫌が追うにも期待してしまいます。
「第一話」に要求されるハードルをここまで見事に飛び越えた作品を
私はそう知りません。
私の直感はこれが、前作ターンAよりも面白くなると感じています。
それくらい見事な第一話でした。
これが特別先行放送で、続きを9月まで見れないことを考えればもはや犯罪です。
ブレンパワードはリハビリ途上のためのはがゆさ、ターンAはガンダムゆえのもどかしさが あったとするならば、キングゲイナーはいったいどのようなクォリティを見せてくれるのでしょうか?
トミノさんの笑いは、ギャグで笑わせるのではなくって
状況で「フフッ」と笑わせる、愉快にさせる、そういったものです。
とはいえ自称「病んでいた」頃のトミノしは、
笑わせようとするもののストーリの深刻さが頭の片隅からはずせずかえって残酷になってしまう面も
多々ありましたので、微妙なところです。
今回の笑いどころは主人公が通う学校にシベリア鉄道女士官が 彼を逮捕しに来るシーン。
世界観がリアルに演出されるトミノものだからこそ、笑えると言いますか、
主人公ゲイナーの通う学校に現れたその姿はなんとボンテージファッション。
乳首もぎりぎりかという犯罪ものの格好です。
まさに高校の教室に女王様、AVの世界です。
劇中のおかしいところを「お約束」で無視しないのがトミノさんなので、 このあときっちりと「お前、そこ格好で外にでたのか」と突っ込まれるけれど、 めげないどころか意にも介さないところがまた良い味出してます。
シベリア鉄道、女士官様。タイムボカン出演を目指してこれからも頑張って下さい。
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