トラックボール個別裏面談

STARCHILD 使徒マウス<サキエル> (AngelMouse“SACHIEL”:Model blue-04, ヱヴァンゲリオン新劇場版:序 Blu-ray特典)

STARCHILD AngelMouse SACHIEL
メーカー スターチャイルド
(製造元:Kensington)
ボタン数 2ボタン
ホイール 無し
エンコーダー 光学式
ボール支持 アルミナセラミック球による3点支持(推測)
ボール径 40mm
コネクタ PS/2・USB

ヱヴァ新劇場版Blu-ray の初回特典ですよっ!

というわけで、皆様、ヱヴァンゲリオン新劇場版:序 はご覧になられたでしょうか? うーん やっぱいいですね、カヲル君はっ!(←そこかいっ) なんだかもう、腐女子モード全開の三猫です。

そんなこんなで、まさかの劇場新作となりました ヱヴァ ですが、 久々のトラックボールルームは、6月27日発売予定の 「Blu-ray Disk 版 ヱヴァンゲリオン新劇場版:序」 の初回限定特典 「使徒マウス <サキエル>」です。

おー、まさかこんなところでトラボに巡り会えるとはっ!

問題ない、すべて計画通りだ

2008年開けたらあれよあれよで、あっという間に HD-DVDが世の中から消えちゃうんですものね〜。 「序」の時点でこれなら、4部目がでる頃には DVD なんて過去の遺物になっちゃいますよ。 ――てなぐあいで、予想外に速く発売になる Blu-ray 版は、 初回DVDとの差別化のために特装BOXではなくなってしまうのですが、 その埋め合わせとして、この使徒マウスが付くわけです。

見ての通り、このおまけマウスはマウスと言いつつトラックボールです。 おそらく使徒の光球 をコロコロしたら素敵かも、という発想のもと企画されたと思います。

キャラクターマウスと言えば 仮面ライダーマウスを思い出しますが、 この使徒マウスは、ライダーマウスのようにキャラクタそのまんまの形状にマウスを組み込んでしまう 方向論ではなく、逆に既存のトラックボール(どこまでもそのまんま似せてしまったタイプではなくって、 Kensington の Orbit Optical) をベースに カラーリングと一部パーツの追加・差し替えで キャラクタっぽくするアプローチで作られています。

正直サキエルっぽさは微妙なところではありますが、 おかげで逆にトラックボールとしてそこそこ使いやすいモノになっていて、 実用性がなかなかなのは素直に嬉しく感じます。

サキエルのホネホネを再現した追加パーツは、正直手のひらや指が痛く、 さすがに無印 Orbit Optical より操作性は劣るのですが、 逆にショルダーガード(?) を意識したボタン部は、旧Orbit のような ボタンの縁取りに高さと角のあるメリハリの効いた形状が使いやすいです。 逆に無印より良いかも。 ここだけ無印と交換すると、なんか最強の Orbit Optical になりそうな予感です。

・・・Blu-ray の特典なので、そんな贅沢な使い方はなかなか出来ませんが。

トラボはいいね。人類の創った文化の極みだよ

というわけで、久しぶりのトラックボールの新作は 予想外のイロモノだったわけで、 そこそこ実用性はありながらも、なんと言っても入手に難あり。 ――まぁ、これを機にトラックボールユーザになる人が居たら いいな、なぁんて思います。

ちょっと残念なのは、Orbit Optical をベースにしたところです。 Orbit Elite をベースに 赤いクリアのボールが電飾されたほうが、 格好良かったと思います。 Elite 無いから仕方ないのだけれど、もっと昔に出ていれば!

ヱヴァの映画はまだ続くわけで、 この使徒マウスも定番化するのでしょうか? Expert Mouse 7 でゼルエル ・・・なぁんてのも、素敵だとは思うのですが、 値段からして、ちょっと無理か知らん。

何はともあれ、トラボファンもヱヴァファンも、DVD買っちゃった人も買わなかった人も 是非是非入手してみてくださいましまし。

各部の詳細

表 まずは上面。

いつもと天地が逆ですが、このデザインなら こうでなくっちゃいけません。

と言うわけで、Orbit Optical のボールを中心に 半ば強引にサキエルっぽくまとめた本機です。
前 追加パーツが集中している前側です。

オリジナルの Orbit Optical は優雅な曲線というか、 ヒトデっぽさが印象的でしたが、こちらはホネホネカクカクで イメージが180度違います。

サキエルとしても、なんだか「たれさきえる」っぽくって 微妙かも。 あ、でも、ほのかに感じる軟体動物っぽさが 逆に使徒っぽいです。うんうん。
左側面 右側面 横から。
こうしてみるとどうもこの使徒マウスは、 トップヘビーな感じでバランスが悪いですね。

オリジナルの Orbit Optical では筐体とツライチだった 左右のボタンが大きくせり上がっていることが解ります。

また、サキエルの口(?)がボール操作の邪魔にならないよう、筐体を這うような 形状にアレンジされています。

一番後ろ側の骨突起が、手のひらにグリグリするとちょっと痛いのですが、 ごろねリターンズよろしく つぼ押しだと思えば(^^;
後ろ 手前から。
全面の情報量の大きさと比べると、 こちら側はあっさりしすぎな感。

Kensington エンブレムのあったあたりに ネルフかゼーレのマークでもあれば・・とも思ったのですが、 …使徒ですしね。
裏 そして下面。

当たり前ですが、こちらは Orbit Optical に比べて取り立てて見るべきところは なしです。
実は半透明なんです オリジナル同様、筐体下面は 黒のトランスルーセントになっています。

やっぱり普段はただの黒プラスチックにしか見えませんけれどね(^^;
ラベルと隠しネジ ラベルと隠しネジです。

ラベルは特に特別な表記もなく、 単なる Orbit Optical となっています。(いいのかしらん)
ボタン周辺 ボタン周辺というべきか肩周辺というべきか(w、 オリジナル同様、広くて押しやすいボタンです。 マイクロスイッチを使っているためクリック感も悪くありません。

Orbit Optical について個人的に不満に思っていた、 旧OrbitやExpert Mouse 5のような 指がかりとなる突起が無い点について、 (単なるデザイン上の結果ですが)改善されているのが嬉しいところ。 指触りの快楽性や押しやすさが上がっています。

オリジナルの方もボタン形状変えてくれないかしら?
バストアップ ボール周辺 ボールクリアランス 使徒マウスの最大のウリである、コア・・じゃなかった、ボール周辺です。

トゲトゲしつつも生物感溢れる造形がなされていて、 無印Orbit Optical とは全く印象が異なります。

一方で、Orbit Optical は、ボールを固定しない代わりに 広く開口したボールカップがウリでしたが、 そのウリをスポイルするかのように張り出した 肋骨(?)やクチバシ(?)は、正直言って操作の邪魔です。

ですが、それでも操作性に気を遣っているようで、 致命的に邪魔というほどボールに張り出さないように 配慮されています。(特にクチバシ)

そのせいで、本機は 「サキエルじゃない何か」感を 醸し出してしまうことになるのですが。

・・・それにしてもこの写真、 「ボール周辺写真」じゃなくって、もう、「バストアップ写真」ですね。
顔周辺 というわけで、バストの次はフェイス写真です。


かなりサキエルっぽくてご機嫌ですよね♪ 愛らしいつぶらな瞳がラブリーです。
ボールを外す Orbit Optical のボールは乗っかっているだけだし、ボールの周辺は広いしで、 ひょいとつまんで持ち上げるだけで外れました。
本機はというと、ギリギリボールが外れるだけの隙間が作られていて、 同様につまむだけでボールが外れます。

ここをあきらめれば、かなり忠実にサキエルっぽくなったと思うのですが、 こまめにカップをお掃除したいトラックボールで、ボールを分解しないと外せないなんて、 実用にならないので、ここは譲れないところだったのでしょう。
ボールカップ ボールを外したところ。

ホネに紛れて見づらいですが、アルミナセラミック製の 支持球が3つ覗いています。・・・が、ここは 使徒の大事な部分なのでルビーにして欲しかったです。
ボールを外した このボディはもともと Orbit Elite のもので、 光学センサ用にデザインされた筐体ではないため、 センサはスペース的にかなり苦しげなのは相も変わらず。

ところで、 コアが外されたこの姿って、自爆しちゃいそうな感じがしません?
筐体上側 ネジを外せば筐体はパカッと綺麗に割れます。

銀とグレーのツートンから、 黒一色になった本機ですが、どうやら オリジナルと成形色は変わらない様子です。
ボタン部品 ボタン部品 ボタン部品。

無印より分厚くなったモノの意外に軽いです。

肩の二つの出渕穴は、お目々の穴に比べて かなり浅いものになっていて、 どうしてかな?と思っていたのですが、裏を見て納得。 マイクロセンサを押す突起と場所が被っていたからなんですね。
ボタンなし筐体上側 ボタン部品を外した筐体上面です。

なんだかそれだけでゴチャゴチャしたのがスッキリになって、 かなりシンプルなデザインに見えてくるから 不思議です。
中身 パカッと割った下側ですが、 光学センサ基板が若干「頑張ってるわぁ」という印象を与えるモノの 他は至ってすっきり。というか、何もありません。
センサの角度 センサの当てられている角度はこんな感じで、 若干浅いかなぁという印象を受けますが、 前述の通り、この程度のオフセットなら問題はないようです。
センサ基板 センサ基板はごくごく一般的な構成です。

センサチップは、光学式マウスで広く使われている アジレント・テクノロジー社の ADNS-2051 (PDF)です。
メイン基板とカップ部 カップやメイン基板、マイクロスイッチです。

まぁ、ここら辺は オリジナルのOrbit Optical と変わらないので 簡単に。
マイクロスイッチ 本機のマイクロスイッチです。

中級機でよく見る I-Cロゴのスイッチは、 Switronic製のマイクロスイッチ らしいです。
(情報元:Jaianさん、K.Tanaka//さん)
メイン基板基盤 基盤背面です。こちらもホントにすっきりしています。
コントローラ コントローラです。

大きさ比較 大きさの比較です。

んー、ボール周りがゴチャゴチャした分、 視覚的に大きくなったように感じます。
ボールの大きさ ボールとDreamcastのVisualMemoryとの比較です。

40mm径という一般的なボールサイズです。
使徒襲来 ソフビ魂 本物のサキエル――は、いないので、 ソフビ魂のサキエルとの比較です。

撫で肩になってしまっている分、ちょっと印象が弱くなっていますが、 この角度から見ると、かなりサキエルしてると思いません?

使徒マウス単体でみると結構リアル路線の造形だと思っていたのですが、 こうして並べると、意外にデフォルメされていたのが解ります。
無印との比較(トップ) 無印との比較(サイド) 無印との比較(リア) 無印との比較(クォータビュー) 無印 Orbit Optical との比較です。

無印って結構薄い色だったのね、とか どうでも良いところに感心してしまいます。

使徒マウスは後付なので、 どうしてもデザインのバランスというか落ち着きというか、 完成度が オリジナルに比べて劣ります。
無印とのボタンの比較 無印とのボタンの比較2 Orbit のボタン と言うわけで何度もプッシュしている肩の形状について、 写真で検証。

サキエルの肩の縁を表現するための偶然なのですが、 ボタン周りの形状が 旧Orbit な形状に先祖返りしています。

旧Orbit のボタン形状は絶妙だったし、 ボタンフェイスの肉厚も真下から、 この使徒マウスって、 マイクロスイッチまで良いのに変えた!?と思ってしまうくらい 感触が良くなっています。

こんなところで、オリジナルを超えてしまうとは(^^;
グラビア グラビア グラビア グラビア グラビア と言うわけで、サキエルです。

この手の限定キャラクタ商品は、使って愉しむモノでは決してないのですが、 本使徒マウスは、手に刺激がちょっと強いけれど 十分実用になる仕様になっています。

反面造形的にはちと中途半端なモノになっていて、 ヱヴァファンにはちょっと不満かな?ともおもわなくもないですが、 そこはそれ、使ってくださいっ、是非っ!

慣れるまではなかなか使いにくいと思いますが、 そこはやっぱり逃げちゃ駄目だということで、 「カーソルをセンターに入れてクリック」な反復練習にいそしみましょう。

というわけで、 「人類の創った文化の極み、トラックボール」に思いをはせるも良し、 リリンマウス に取って代わられたポインティングデバイスの もう一つの可能性である 使徒トラックボール の if を 愉しむも良しな本機です。

これを機に貴方もトラックボールを使ってみたらいかがでしょうか。 きっと PC との シンクロ率が上がりますですよ?

<総合評価>

繰球の気持ちよさ ボール自体の回りは快適ですが、周りのトゲトゲがちょっと痛いかも
回り出しの滑らかさ なかなかに快適です。
回転中の滑らかさ 回転中も非常に滑らか。しかも惰性でぐんぐん回ります。
ドラッグのしやすさ 良好です。
対腱鞘炎 えー、、と、お背なのトゲトゲがツボを刺激するので良好、ということにしておきます。
コストパフォーマンス おまけなので、コストは安いのか、高いのか。ちょっと評価外です。
三猫のおすすめ度 ★★★★★
なんと言っても、トラボを限定グッツに選んでくれた心意気を評して ★五つです。まぁ、なんていうか、好きってことさ♪