トラックボール個別面談

サンワサプライ フォース (FORCE <dark silver> :MA-TB35DS)

SANWA SUPPLY FORCE
メーカー サンワサプライ
ボタン数 3ボタン
ホイール 1ホイール
エンコーダー 光学式
ボール支持 スチール小球による3点支持
ボール径 46mm
コネクタ PS/2・USB

フォースを信じるんだっ!

サンワサプライは日本では希有なトラックボールに肩入れしてくれるメーカさんで、 トラックボールファンとしては応援してあげたい気持ちでいっぱいなのですが、 なにぶんStreamの大失点が大きくって、 サンワサプライのトラックボールは駄目なトラックボールという 印象がこびり付いてしましました。

そんなサンワサプライの出した新型トラックボール「Force」は、 シンメトリデザインに48mm大玉を備えた光学式トラックボール。 なかなかニッチェな所をついた魅力的なスペックに通常なら素直に期待したいところなのですが、 Streamのトラウマと、冒険しすぎたデザインが、猫の恐怖を誘います。

しかし、サンワサプライさんだって莫迦じゃありません。まさか同じ過ちは繰り返さないでしょうし、 一見とても危なそうなデザインだって、意外に見た目の直感は当てにならないモノ、 士朗マウスのように手によく馴染むかもしれません。 ――と、理性的に考えようと思いつつも、なかなか購入に一歩踏み出せないあたし。

「誰もが『まさか』と思いつつも同時に『もしや』と疑念を拭えない・・」なぁんて どこかで聞いた台詞が心を過ぎるも、ええぃ、恐れていたって何も始まらないわっ! フォースを信じるんだっ!

まずは疑念をば。

フォースのスペックは、かなり魅力的です。

ボタン周りこそ3ボタン1ホイールと(マウス的基準では)一般的ながら、 Microsoft Trackball Explorerと同じ48mm大玉で、 光学式エンコーダを搭載、左右対称のデザインやラバー塗装が施されたパームレストも なかなか興味深いものです。

しかしサンワサプライは前作 Streamは、 イメージセンサの設置位置に難があり、カーソルがドングリのような挙動を示す欠陥がありました。 Streamもスペックは魅力的であっただけに、 買ってきて初めて気がつくその欠陥はまるで地雷、 この経緯があるからこそ、フォースの魅力的なスペックに惹かれつつも、 購入に二の足を踏んでいる方も多いんじゃないでしょうか。

たぶん、フォースのレビューでもっとも期待されているのはココでしょう。 ――結論から言うと、カーソル挙動は全く問題ありません。

光学センサの位置から若干不安を覚えたモノの、Streamのような「どんぐり挙動」を見せることもなく、 しごく快調です。 かなり高速に転がしたとき、ごくまれに拾いきれない時もありますが、 実際の使用ではまず発生しません。さすがに「2度あることは3度ある」にはならなかったのね、と一安心です。

同じ46mm径・金属小球支持ということで、 その操球感はTrackball Explorerによく似ています。 ルビー支持ほどのツルツル感はないものの若干の粘りを感じる独特の操球感はなかなかです。

フォースの魅力

写真を見るとそうは感じないのですが、実はフォースは そのボール径の割にはかなりコンパクトです。

大きさはちょっと多機能な40mmトラックボールとほぼ互角です。 底面積や長さ・大きさの小ささも凄いのですが、なにより驚きのはそのボディ低さ。 何かとボディ高が高くなりがちな大玉機ですが、 ボールを机に摺りそうなくらいの位置に設置してギリギリまで高さを抑えたお陰で、 ボディ本体もOrbitと同等の高さに押さえることができ、大玉機らしからぬ フラットなボディを実現しています。

このコンパクトさのお陰で、 macally QBallLogitech Marble Mouseに ちょっと足が出た程度の設置面積しか必要でなく、散らかった机の上でも無理なく設置できます。 持ち運びにストレスを感しないサイズで、ノートPCと一緒に携帯するのも十分現実的です。 それでいてこれだけの大玉が使えるのだから凄いことです。

もう一つのフォースの魅力は、このコンパクトさがもたらす ボディバランスの良さです。

得てして大玉機は、そのボールサイズ故に手とボディのバランスを崩しがちで、どうしても手に余る感じをユーザに与えます。 逆に40mmボール機は、取り回しの良いベストなバランスを持っていて、 操球感とトレードオフにしてもそのバランスを好むユーザがいるのも事実。 OrbitMarble Mouseといった傑作機は、決してコスト面から小さなボールを使っているわけじゃ ないのです。

コチラを立てればアチラが立たずな、ボディバランスとボール径ですが、 しかし本機は違います。大玉に見合わぬコンパクトさから、 OrbitやMarble Mouseをを連想させる、手にちょうど良い「バランスの良さ」を持っています。 特に平べったさの効果はテキメンで、 大玉の慣性を堪能しつつも、手に余る感じをさせない優れもの。 このフラットボディこそフォースのアイデンティティと言っても過言じゃないかしら。

フォースの暗黒面

ボールをできるだけ低く設置する――このフォースのコンセプトは Orbit Opticalとよく似ています。 同じセンサ位置に同じような手の掛かり方をするボディ形状ですから、 手を添えてみた感じもどことなくOrbit Opticalを連想させるものがあります。

どちらもシンメトリカルデザイン + ギリギリまで高さを抑えたボールという デザインベースに、緩やかな弧をえがくボディ、ボール手前に配置された大きな左右ボタン、 パームレストのゴム塗装と、見てくれこそ違うモノの本機はなかなか「大玉Orbit Optical」しているのですが、 今一歩Orbit Opticalなフィット感を得られないのは、 手の置き場所の落としどころがイマイチ定まらないそのボディデザインにあるのかもしれません。

実は本機は、手の置き所に困るトラックボールです。

その原因は微妙なボディ横幅で、言うならば「置く」に短し「握る」に長し。 手を開いて置く場合には手のひらや指がはみ出してしまうので微妙に手を屈めなければなりませんし、 どうせはみ出すのなら握ってやろうとすると、今度は手をグワァと開き、掻き握らなくっちゃいけません。

また、微妙に高いパームレストは、親指の付け根や小指の付け根がはみ出してしまうので、 パームレストに手を置いてもうまくグリップできずズリズリと手が滑り落ちてしまう感じを受けます。 じゃあ、手のひらの付け根を机に置いて、お尻の大きなマウスのように 握るスタイルで使おうとすると、今度は微妙にボールが遠すぎる感じです。

自由度の高いデザインは「どの位置でもしっくり来る」んですが、 本機の場合は「どの位置でもしっくりこない」なんです。うーん、、、(^^;

もう一つ、本機の残念な点は、せっかくの大きな左右のボタンの押し心地がイマイチであることです。 このボタン、ちゃんとマイクロスイッチを使ってあって、 大きい上にラバー塗装で滑りにくくしている、と一見なかなか美味しいボタンなのですが、 残念ながらその大きなボタン全域で十分な感度を確保できていません。

手前側に行くほど押しがたくなり、 一番手前の外先端に至っては押すのに実用的ではありません。 指先でボタンを押す人には気にならないけれど、 親指や小指の付け根でボタンを押す派の方には少しつらいかしら。 そして、縁を押す機会が多いのは左右にもうちょっと広さが欲しいからで、 ボディの横幅の話と重複しますが、ボタン自体せめて2,3mm外側に大きくかったら、と思わずにいられません。

ついでに、ホイールは見た目通りの感じで、使えるけれど使いやすさは今一歩。 その華奢さにもかなり不安が残ります。また、Trackball Explorerと同じボール径・金属球支持なので、 同じように支持球が削れて操球感が悪化する「フラットスポット問題」が発生するのでは、という点も不安です。

またもや玉に瑕

前半の褒め口調とはうってかわり、結果的にずいぶん辛口レビューになってしまいました。 しかしフォースは良いトラックボールです。 実用的であるだけでなく、 操球感はさすが光学式大玉トラックボール、とても気持ちよいものです。

本機の競合機種はLogitech CT-100や MS Trackball Explorerのような 多ボタン・高機能を売りとする高級機ではなく、 Orbit Optical や Marble Mouseのような適度なボディサイズとスペックをもつ中級機です。 (マウスで言ったらシンメトリで3ボタン1ホイールの一番一般的なクラスです。)

これら40mmボール機と同等のフットプリントと「バランスの良いボディサイズ」を持ちながら、 大玉の気持ちよさというバリューもついてくる、 このニッチェではなかなかキラーなスペックです。ホイールがついているのもポイントが高しです。

ただ、このせっかくの大玉に見合わない手にちょうど良いバランスのサイズも、 「Orbit的に使うには狭すぎて、Marble Mouse的につかうには広すぎる」 ――中途半端なボディポリシーによってその魅力を半減させています。 決して使いにくい訳では無いんですが、ふとした時に何ともいえない居心地の悪さを 感じてしまうのです。

フォースは非常に良い線をついているトラックボールで、 特に「Orbit Optical(またはMarble Mouse)は良いんだけれど、 もうちょっとボールが大きくって、ついでにホイールが付いてればねぇ」という 「理想のトラックボールの一つのカタチ」に王手をかけます。 が、詰めの甘さ故にそれを逃してしまっているわけで、 ココまで来ながらも駄目だった「残念感」は、猫のレビューを非常に歯切れの悪いモノにします。

でも、この「歯切れの悪さ」こそ、フォースそのものなのかもしれません。 何とも言われぬ嫌ぁな詰めの甘さこそ、サンワサプライの証なのかも。(^^;)

良いトラックボールなのですけどね〜。

追記(2006/04/09)

このレビューはForceの初期ロットのものです。 2006年4月現在の現行モデルでは、 ボタンの端っこを押しても、ちゃんと反応するように 改良されています。

なので、欠点らしい欠点はフラットスポットが発生する点と、 ホイールがかなり脆弱な点くらい。 気になる点は、本文通りイマイチしっくりこない ボディ形状くらいです。

結構いいトラックボールですよねぇ。 ★半分くらい足しちゃおうかなぁ。

各部の詳細

表 思わず不安になってしまうくらい個性的すぎるデザインですが、 写真で見たときも凄いとは思ったのですが手元に届いてみると想像以上に凄いです。

見事にSFしているデザインはエレコムの某SFデザイナ製マウスを連想させます。 特にそういう企画でもないのにこのデザインでリリースできてしまう サンワサプライの冒険心になんだか別の意味で感心してしまいます。

個人的には猫はこういうSFチックなデザインは大好きですが、 こういうデザインは「使いやすいのかしら」と人を不安にさせるので、 商売上マイナスファクタなのじゃないかしら・・ついよけいな心配をしてしまいます。
後ろ 手前から。

ピーチスキン大好きっ子の猫としては、このゴム塗装は魅力的です。 ただ、どうしても汚れが付きやすいのは致し方ないところです。
右側面 ボール高を低く抑えるためオフセットしたセンサ位置は、 実はKensington Orbit Opticalと同じ設計思想です。

ボールをギリギリまで下げたことにより、 光学センサを底面からずらす必要があるわけで、仮想床面がかなり前後傾斜します。 それを自然に指先がボール前方に回り込むボディ形状でフォローする訳です。
左側面 横から見ると80年代SFチックなボディデザインが際だちます。 なんだかハイヒールのような構成で、実際型抜きとかかなりこだわってます。 好みの問題ですが、アナクローンな猫はこのデザイン、結構好きです。

ホイールは企画途中で無理矢理増設されたっぽい印象を与えますが、 実際のところはどうなんでしょう?
前 ボディ前側もピーチスキンのラバー塗装がされてますが、ここはボタンじゃありません。
それにしても平べったいボディですね。
裏 背面です。

前半分の楕円と後ろのソールの楕円しかないシンプルなデザイン。 ホイール基部がシンメトリなデザインを崩してしまってるのが少々残念です。
ラベル ラベルです。本機の型番は「MA-TB35DS」です。

末尾の「DS」はカラーバリエーションを示し、 「DarkSilver」の意味だと思われます。 本機のカラーバリエーションには ダークシルバーの他にシルバー(MA-TB35S)があります。
TrackballExplorerと比較-トップ TrackballExplorerと比較-斜め後ろ 同じボール径のMicrosoft Trackball Explorerとの比較です。

ボタン数やデザインポリシーの違いもあり、 一概に「小さい方がよい」というものではないのですが、それにしても 大玉の操球感とボディサイズをトレードオフしなくても良いのは素敵です。 ノートPCと一緒にTrackball Explorerを携帯しようとは思いませんが、 フォースなら「持って行こうかしら」と思わせます。

手の大きさは変わらないので裏返せば「手がはみ出る大きさ」の違いともいえます。 同じようにデスクトップに据え置きで使い続ける分には、 「好みの問題」なのですが、 持ち運びを考えるとはっきり言って雲泥の差。 A4スリムモバイルノートPCと一緒に持ち歩いてもいいと思わせるコンパクトさは やはり貴重です。
ボール交換 ちなみにボールは交換可能で、どこまでも同じ挙動かどうかは 試していませんが、どちらにどちらのボールをつけても それなりに動きました。
OrbitOpticalと比較-トップ OrbitOpticalと比較-斜め後ろ OrbitOpticalと比較-左 OrbitOpticalと比較-後ろ 40mm径ボールを備えたKensingtonの普及期「Orbit Opticalと比較すると、 本機の小型さが解ると思います。

前後の奥行きこそ本機のほうが大きいのですが、 左右幅は本機の方が小さく、フットプリントはほぼ互角、 なによりもボールをのぞいたボディ高の低さは目を見張ります。

この小型さは、狭い机でもストレス無く大玉トラックボールを設置できること、 持ち運びに躊躇しないこと等々の魅力もさることながら、 大玉機特有の「手に余る感じ」がないことも特筆に値します。

サイドビューを比較すると、両者は高さ、カーブが意外に似ていて、 使用感においても、四本の指の腹でストレスなくグリングリンとボールを操れる気持ちよさや、 手のひらにペトリとくっつくのに、それでいて握り方を強制しない所など、Orbitを連想させる面もあります。

ただ、どうもフォースのは「握り方を強制されない」というよりも 「握り方が落ち着かない」の感じを受けます。

というのも Orbit系のデザインは「手を自然に開いた状態で添えるだけ」で快適な操作ができる 部材レイアウトが心地よいのですが、 本機のボディ横幅は自然に開いて手を添えるにはなんだか微妙に足りななくて、 子指の付け根や親指をボディが支えてくれないからです。

一瞬「念願の大玉Orbit登場かしら!?」と思ってしまっただけに、 残念です。
シャコタンボール できうる限り低い位置になるように設置されたボールです。

机に摺るくらいギリギリまで下げられたボールは、 フラットなボディと相まって、手を添えたときのバランスの良さを演出します。
センサ位置比較(OrbitOptical)
左:Orbit Optical / 右:Force
両機種ともにボール高を押さえるためイメージセンサがボール底頂点からかなり オフセットされています。
つまりセンサの想定するボールの転がる床面が前後に大きく傾いていることに なりますが、自然に指先がボールの頂点より前方に掛かるボディ形状のため、特に違和感を感じません。
(ところで、一見フォースの方が大きくオフセットしてる風に見えますが、 ボール径を考えると実際の比率はきっと似たようなもんじゃないかしら)
ボタンとホイール 比較的大きめのボタンと、側面に取り付けられたホイールです。

ボタンは一応マイクロスイッチを使っているのですがボタンフェイスのたわみのせいか、 メリハリのない感触で、押しやすいモノではありません。 特に手前外側に行くに従い入力し難くなるのは残念。難のあるボタンです。

ホイールはここまで薄いホイール機構を実現できたことは評価できますが、 華奢で使い勝手も今一歩です。
ロゴ 本機のロゴは単純なシルクスクリーン印刷です。 なかなか格好いいデザインだと思いません?
ボール ボールは 他のサンワサプライトラックボールと同じ表面処理のもので、 ドットパターンの印刷のない自然なボールです。

かなり好印象なボール処理です。
ボールを外す ボールをハズします。 真上から見てもかなりセンサがオフセットしています。

ただこの派手なオフセットは結果的に「大丈夫なオフセット」なのですけれど、 Streamの教訓を生かしての絶妙な采配なのか、 単に無学習だけれど運が良かっただけか、不安にさせます。

支持球は金属です。おそらくTrackball Explorerのように 使い込むうちに削れていき、フラットスポットを形成すると思われます(TT)
隠しネジ さて、早速分解です。

本機のネジ穴は前部のゴム足の下に2つ、後部の三日月状のゴムシートの下に2つ隠されています。
ゴムシートははがすときに伸びてしまうので注意が必要です。
ゴム足 ゴム足は、単にねじ穴に刺さっているだけなので、 簡単に取り外せます。

というか、簡単にはずれすぎるのが困りもので、 鞄のなかに入れて移動したりすると、必ずどっかに行ってしまってたりします。 ああ、いつか無くすわ、コレ。
筐体オープン 筐体オープンです。 フラットケーブルが筐体下面に固定された基板と上面に固定された基板を結んでいるため注意が必要です。

パームレストのパーツ分割がおもしろいですね。
筐体下側とパーツ 平たいボディから想像されるとおり、 すっきりと平面的なパーツ構成です。
フラットケーブルぐるぐる巻き フラットケーブルがミイラのように ぐるぐる巻きです。

いいのかしら(^^;
マイクロスイッチ 左右ボタンは一応マイクロスイッチです。

それにしてはボタンの感触は良くないのは、 ホイールをよけてスイッチが偏った位置へ配置されたことと、 内部スペース状、ボタン面がたわんでも十分な押し込み量を確保できるだけの ストロークが得られなかったせいかしら。
ボタン裏 ボタン裏側です。

ヒンジで稼働するようになっているのですが、ヒンジの長さが短いこと、 ヒンジとボタン面を繋ぐアームが狭いこと、 そして、ボタン押す柱が端によりすぎていることなど、 なるほどたわむのも解ります。
ホイール 本機の機構的目玉であるホイールです。 このホイール、かなり大径なのですが、その理由はホイール押下や回転検出、 ノッチ感の演出などを内部に納めているからです。
ホイール基板 上 ホイール基板 側面 ホイール基板 下 ホイール基板です。

それにしても薄い! こういう部品って汎用品なのでしょうか?興味津々です。
ホイール機構アップ ホイール押下 ホイールのアップです。隙間にギザギザが見えますが、 これで回転時のノッチを作り出しているのでしょうか?

下の写真はホイールを押下したところで、 金色の芯と外側のリングは動いているけど、 内側の黒い円盤は動いていないように見えます。

機構的にはおもしろい本機のホイールですが、 薄型化のあおりをくらって、あまり感触はよいものではありませんし、 耐久性にも不安が残ります。
右スイッチ基板 右スイッチ基板です。

ん〜、こちらはもっとシンプル。
ボール受け ボール受けです。

うーん、一見センサ位置を下げる工夫をしていないように見えますが。
カップのセンサー穴 わかりやすいようにイメージセンサをはずしたカップだけで、 センサ位置を見ると、支持球を結ぶ線上にあります。
ボール受け と、「もうすこし下がるんじゃない?」と思ってしまうセンサ位置ですが、 筐体に乗っけてみると、実は、フラットケーブルを踏みしきながら下げられるだけ下げています。
また、写真では解りませんが、基板裏側のコンデンサがボトルネックになっていて このセンサ基板を使う限りではこれ以上さがりません。

うーん、実は頑張って下げていたのね。でも、センサ基板自身をどうにかすればとも思いますが。(^^;
光学センサ 光学センサーは Streamに引き続き、 アジレント・テクノロジー社の ADNS-2051 (PDF)です。

ちなみに下側のコンデンサが傾いているのは、 ケーブルを下敷きにギリギリまで押しつけられていた名残です。
全基板 本機のすべての基板です。

単身のフラットケーブルは分解中に折れそうで怖いです。
メイン基板 メイン基板です。
コントローラチップ コントローラ・チップです。
筐体上側 筐体下側 部品が無しの筐体カバーです。

なんというか、デザインに対する並々ならぬこだわりを感じます。
大きさ比較 大きさの比較です。

決して絶対的に小さいというわけではないのですが、 「大玉トラックボール」なサイズでもありません。
小さすぎず・大きすぎずな良い塩梅かと。
ボールの大きさ ボールとドリキャスのVMとの比較です。

大きさはTrackball Explorerと全く一緒の46mm径です。
グラビア 本機はOrbitやMable Mouseと同じ、手にちょうど良い大きさと、 過不足のないスペックをもつバランス機です。 そこのバランスを変えない限りでの大玉を乗せている本機は、 このクラスのキラートラックボールになりうる器を持っています。

「凄い!凄いですよっコレッ!」と大興奮で試用を始めた猫ですが、 うーん、何ヶ月使い込んでもなぜだか全然「しっくり」こない。 なんでかしら、うーん何が足りないのかしら、といろいろ考えると、 結局本機を使う場合、手を「意識して」本機のカタチにしなければならなくって その微妙な窮屈さに「今一歩」と感じる様です。

それはそれで特別悪いことではないのですが、 「最高のトラックボール」という逃がした魚の大きさに思わずクラクラ来てしまうのです。

<総合評価>

繰球の気持ちよさ 金属支持球の若干粘りのある感じはあるものの、かなり気持ちの良い操球感です。
回り出しの滑らかさ 点支持特有の少しカクカクした感じはあります。
回転中の滑らかさ とても滑らかです。
ドラッグのしやすさ ボールサイズとボタン位置が適切で、ドラッグはしやすいです。
対腱鞘炎 手に無理をさせないボディサイズゆえ、腱鞘炎にはよいかも。
コストパフォーマンス かなり高い部類だとおもいます。しかし、ホイールの耐久性や、 金属球支持特有の「フラットスポット問題」があってどれくらい使い続けられるのか不安が残ります。
三猫のおすすめ度 ★★★★
結構おすすめです。スクロールホイールに若干難があることと、 使いやすいのだけれど今一歩「一体感」が得られないボディ形状は、 少し気になりますが、店頭で触れて気に入ったなら、その期待を裏切ることは有りません。 ちょっとおまけ気味ですが、★四つです。