トラックボール個別面談

Microsoft Trackball Optical (Trackball Optical 1.0)

Microsoft Trackball Optical
メーカー Microsoft
ボタン数 5ボタン
ホイール 1ホイール
エンコーダー 光学式
ボール支持 スチール小球による3点支持
ボール径 38mm
コネクタ PS/2・USB

ごめんなさい。もう売っていないのです。

なんで今頃 Trackball Optical のレビューなの? と、思われる方も多いでしょう。

実はこのページを用意し始めたのは、まだトラックボール業界が ささやかだけれども順風の中にいる、と思っていた 2005年。 ごくごく普通の更新として、本機レビューを書きつづっていたのですが、 ある一つの問題から掲載を見合わせていました。

その問題とは、カップにボールが摺ってしまう、 末期の本機で良く報告されていた不具合が、私の個体でも発生したこと。 本来の操球感を味わえないままレビューを書くのは気が引けます。 いっそのこと、これの修理改造も含めてのレビューに変更しようかしら、でもそれって ネガティブレビューにならないかな、などなど、 悩んでいたところで、 本機の生産終了の報がたたみ込むように舞い込みました。う、うみゅう。コンボ攻撃?

売っていないトラックボールのレビューは なんとも罪作りな存在です。 だって、欲しいと思わせておいて、買えないのだから。 なのでお蔵入りにしようと決めたのです。

さて時は流れて2008年。 Microsoftの撤退を皮切りに訪れたトラックボール界の異様な冷え込みが、 ちょっとこのお蔵入りレビューをもう一度蔵出しする きっかけをくれました。

それは、なんだか修理・改造して使えばいいじゃん が 当たり前みたいな風潮になってきたこと。 まともな頭で考えれば、ユーザーが部品を調達し、 半田ごてを握りしめる状況ってどうなのよっ(^^;、なのですが、 お気に入りのトラックボールを使い続けるには現実的な手段です。 あぁ、なんて逞しい。

そうとなれば、使い込んでいる人の機体はそろそろガタが来る頃。 それで分解したとき、このすばらしいトラックボールについて一緒に愉しんで貰うのもいいな ・・・なぁんて、そんな風に、思い直しました。

それくらい、脱いだら凄いトラックボールなんですよっ!

大柄なのは見た目だけ(ホントは結構繊細なんです)

本機の第一印象は、どうしたって 大柄で、アメリカンだなぁ、です。

だからなんだか手に余るんじゃないかと心配になってしまう本機です。 実際それで買うのを躊躇してきた人も多いでしょう。 私も手は大きい方じゃないので、 買う前は「本当に使いこなせるかな」と心配でした。

が、使ってみるとこれがぴったりなのですよね、 手を添えた感触はちっとも大きいとは感じません。 手を無理に開くこともなく、自然に添えるだけで 操作部がすっぽり手にはまります。これは、なかなかの快感です。 さすが エルゴデバイスの雄、Microsoft です。

これは、「手の中に握りこむ」マウスとちがい 「手を置く」トラックボールの違いです。 手の中に入る部分だけでなく、手からはみ出す部分も含めて、 トラックボールの大きさになっちゃうから。 まぁ、それはトラックボールの常識なのですが、 それにしたって本機はマウスに似たデザインだから、 よけいドドンと「アメリカーン」に感じてしまうのですね。

本機の大きさは「大柄」じゃなくて「ゆとり」です。 喩えるならばそう、大きいベッドと一緒です。 足を伸ばしても姿勢も変えても、のびのびと寝れる、そんなふうに のびのび快適に手を置けるデザインで、大きいって事はいいことだね、と 言い切れるモノ。 たとえ手が小さくたってこの大きさが快適なんです。

唯一の多ボタン親指トラックボール

このレビューを書いている2009年現在でも、 Logitechとサンワサプライの親指トラックボールは普通に手に入ります。

殆どの機種が唯一無二のデザインとなってしまう人差し指トラックボールと違い、 ある程度形状が似ている親指トラックボールですが、 本機はそれらトラックボールでは代替えできない特徴があります。 それは、ボタンが5つも付いていることです。

高級機=大玉という風潮のなかで、ボールの小さな 親指トラックボールは、エントリーモデルという位置づけばかりで、 だからたいてい3ボタン止まり。でも本機は違います。 Microsoft的には、本機は Basic モデルじゃなくStandard モデル。 なのでちゃんと(?)5ボタンなんです。

単にボタンが多いだけでなく、その使い勝手も快適です。 トラックボールはマウスと違い本体のサイズにゆとりがあるため、 第4、第5ボタンが位置も大きさも自然で押しやすく、 また、人差し指トラックボールと異なり、 スクロールホイールもごく自然な位置を陣取れます。

はっきり言って、多ボタンだったら 親指トラックボールでキマリ、なのですが、 なぜかそういうモデルは、本機くらいしか無いのですよね。(なぜ・・・)

快適さとは地味さの中に見つけたり

そういったスペック的なところも 本機の魅力の一つですが、 それを除いても、本機には大変な魅力があります。 それは、本機の操作は、地味だけれど安心できる、 そんな品質の良さです。

本機のボタンを押した感触は Logiのような高級感や、快感は少ないです。 どちらかといえが地味で、 どこかパコパコとオモチャっぽい。 けれども、「ちゃんと入力できたかな」「壊れちゃうんじゃないかな」と 不安に感じさせることは全くありません。 確実に操作できたと安心でき、しかも五月蠅くない 秀逸なもの。地味に使いやすいです。

そんな使いやすさは、本機の至る所に溢れれるささやかな配慮から生まれています。

例えば、ボディ上面の傾きに合わせ、 ボタンの押し込み向きやホイールの軸を傾けること。 例えば、ボタン面の両端に、基点とスイッチをそれぞれ置いて、 どこを押しても安定して確実にクリック出来るようにすること。 ボディにキチンと構造強度を持たせること。

それは、設計のほんの少しの上手さから生まれています。 多くのデバイスを作ったワザやノウハウ故の、 ポイントを押さえたシンプルで効果的な設計が 使いやすさを生み出す、そう感じます。

「使いやすさ」こそ「快適さ」。 やろうとおもったことの邪魔をせず、 さりげなくサポートする。 「快感」とちがい、「快適」は主張はしない、地味なもの。 地味で目立たないのからこそ「快適」なんだなぁと思います。

残念な出来事

本機のボールは 38mm。 人差し指トラックボールでは普通サイズの40mmに僅かに及びませんが、 ここら辺が親指トラックボールとしてムリを感じないギリギリの大きさ。 この絶妙な大きさが良いです。

・・・などと、このまま Trackball Optical賛歌を続けたいところですが、 冒頭で触れたように、 私の手元にある個体は、残念ながらボールとカップが摺れてしまっている不良個体。 だから、残念ながら本機の 生まれたままのボールの回し心地を知りません。

この不良はカップ成型で金型の合わせにズレが生じたためのものです。パーティングラインに沿って カップの一部が盛り上がってしまっています。 当時の2chでは、交換しても交換しても不良品・・という話が ありましたので、 もしかしたら或るロッドは殆どすべてが不良だったのかもしれません。 ひょっとしたら、金型がへたって来てたのかもしれませんね。

この不具合の大変残念なところは、 この重さが不良によるものだと気づかない人も居るであろうこと。 そういうものかなー、と思ってしまいがちで、ある意味地雷でした。 どうしたものかしら、と様子を見てたら、あれよあれよと販売終了...orz こんな事ならもっと早く買ってもっと早くレビューすれば良かったです。

さてこの問題、自分で直す気になれば、実は大したことありません。 カップ内の出っ張っている部分を削れば解決しちゃう、それだけの話です。 (Trackball Optical Repair さんの、 Trackball Optical 操球改善ページの 「筐体削り」の項に、コレで失敗したらどうよ...orz ってくらい手取り足取りな解説があります。)

ボール回りの暗い話のついでに、支持球について。 本機は金属支持球なので、 使っている内に支持球が削れてしまい、だんだん操球が重くなってしまう 「フラットポイント問題」が生じます。

そんなに酷い耐久力、というわけじゃないのですが、 ステンレスベアリングローラ機やルビー支持球機のように 5年も6年も元気で使い続けられるようなモデルではない、 というのはこんな風に絶版になっちゃうと深刻な問題です。 本機をヘビーに使い続けるなら、支持球交換は必須のスキルなのかもしれません。 (あぁ、なんてマニアックな)

プロが作れば「普通」も凄いっ!

なんというか、Microsoftって本当に入力機器つくるのが上手いのね、と 思います。だって本機は特に気合いの入っているわけではない 普通のトラックボールなのに、どうしたって本機は名機です。

Microsoft にしてみればごく普通の値段で買えるごく普通のトラックボールを 作っただけです。パーツ分割に若干リッチなところは感じますが、それは水の下の話。 本体の質感には、ガジェット心に訴えるようなモノはなく、プラはむき身のプラのまま、 高級感の「こ」の字も追求していません。

しかし、中を開けてみると、その作りの美しさや設計の気配りに「ほぅっ」とさせられます。 高そうでないだけで、安っぽいわけじゃない、製品のグレードと関係なしにクォリティが高いのです。

いえ、理屈はどうでも良いですね。 本機 Trackball Optical はきっとみんな「完成している」と感じてる、それだけで 十分本機の魅力を説明出来るのですから。

もっともっと評価されても良いトラックボールだと思います。

各部の詳細

表 大柄な印象の本機です。デザインラインは当時の Microsoft マウスと共通のモノなので、比較でよけい大きく感じるのかも。


指先側(ボタン)がとても長いように感じますが これは「そこまで指を伸ばしなさいよ」、ということじゃなくって 指をどんなに伸ばしてもはみ出ないよ(のびのびしてていいでしょう?) というデザインです。
後ろ 手前から。 取り立てて言うことはない感じ。

マウスではそんな出もないのですが、 トラックボールでは昔の「白(アイボリー)でも」、 iMac(初代)風の透明でもない、 成形色向きだしって、珍しいですね。
右側面 こちらから観ると解りますが、パームレスト側は 机と面がなだらかにつながるようにデザインしています。 これが机面に飛び込むような曲線でよければ (マウスとか、手首の付け根は机についてますよね?、そういう感じ) もう一回り小さくできたハズです。

・・・つまり本機の実質的な手の中で感じる大きさは 結構小さいんです。
左側面 ボール回りの分割線を取り入れたデザインが美しい本機です。

こちらから見ると女性的で、エプロンとかチャイナ服を連想させ すこしセクシー・・・だと思うのですが、どうでしょう?(^^;
前 ボタン側から。

よぉくみてください。ホイールがボタン面と同じだけ ちゃんと傾いて設置されてるでしょう? ボタンの押し込み方向もちゃんとボタン面と同じだけ傾いています。

あとで分解写真で解説しますが、 これって結構こだわりのポイントなのですよ!
裏 底面。

こちらから見るとなんだかマウスパッドのようです。
ラベル ラベルです。

Microsoft製品ですので、ハードウェアにもバージョンがあります。 メジャーバージョンが上がると同じモノでも 全く別製品に。

まぁ、1代で終わってしまったので、 「続きます」なバージョン番号は 涙を誘うだけなのですが。しくしく (T△T
ボタン ボタン周りです。

本機のボタンは この時期の Microsoft らしい パコパコした高級感の無い感触。 Logitech の方がメリハリのあって高級感漂うのですが、 一方でMSのほうがカチカチうるさくないと好むユーザーも多いとか。

両脇の小さいボタンですが、表面が微妙に盛り上げられています。 なんか後付っぽい盛り上がり方ですが、 実際使ってみるとこれが絶妙で、 この小さいボタンを非常にクリックしやすいものにしています。
ボール側 ボール周辺です。場所・角度ともに使いやすい位置にボールがあります。
本機のボールは実測で38mm。 サンワの40mm親指が少々操作がつらく感じるのに比べ、 違和感のない範囲で出来るだけ大きく、という 実に絶妙なサイズです。
あと、筐体の分割線を上手くデザインに取り入れていてGoodですね。
ボールを外す
ボールはカップの上下二つの突起で筐体に固定されていますが、 つまんで引っ張れば簡単に外せます。

親指トラックボールは「親指のひら」と平行にセンサを設置すればよいのですが、 本機のセンサも理想通りの位置にあります。

光学センサの配置が筐体の高さに影響を与えないことといい、 ホイールの場所に困らないことと言い、 「親指トラボ」というデザインは完成度高いよなぁ、と思います。
隠しネジ と、いうわけで早速分解です。

ゴム足をはがすとネジ穴が出現するのは、もはやパターンです。
筐体オープン 早速開けてみます。

Trackball Explorer ほど大変じゃないのですが、 筐体上部側と下部側の基板を繋ぐフラットケーブルに ご注意です。

で、開けてみれば、同じメーカーのトラックボールとは思えないほど スッキリ綺麗な中身です。(これは美しい)
筐体下側 筐体下側。基板はメインとボタン基板、それに右小ボタンの3分割です。
スイッチ部俯瞰 ボタン部分の基板です。

分割は基板自体の傾きの為。 それにしても右小ボタンだけ別ボードになっているのは 面白いです。 今度は右クリック側です。
奥に見えるタクトスイッチが「進む・戻る」用になります。
Lボタンスイッチ 左クリックボタンのスイッチです。
高品位マイクロスイッチの代名詞的存在、オムロンのD2Fです。

それと、こうしてみると基板が結構大きく傾けてあるのに気付くと思います。 ボタンを面に鉛直に押し込む、その方向とスイッチの押し込み方向を一致させている そんなさりげなくも綺麗な設計です。
Rボタンスイッチ 今度は右クリック側です。
奥に見えるタクトスイッチが「進む・戻る」用になります。
スイッチ基板 スイッチ基板(ホイールセンサ部) ホイールを外したところ。 ホイールクリックもオムロン製マイクロスイッチになっています。

こうしてみると、余裕があるように見えて ボタン回りはけっこうキツキツのスイッチ配置になっています。 が、Trackball Explorer のように、スイッチ配置にムリをしている感じもしない、 綺麗で安心できる印象を受けます。
ホイール基部・正面から ホイール基部・俯瞰から さて、ホイールの機械部分です。 実はホイール支持部は別部品になっています。 どうです?こうしてみると結構傾けてあるでしょう。

筐体底面に支持架を設け、地面に垂直にホイールを立てちゃう機種も多いのですが、 ここは使いやすさへの気遣いです。

ボールもスイッチもそうですが、本機は筐体面から鉛直方向が「まっすぐ下」になるように、 ちゃんとまじめに作ってあって、それに好感を覚えます。
ホイール基部パーツ その1 ホイール基部パーツ その2 ホイール基部パーツ その3 ホイール支持架です。ボタン基板を支える役目も持っています。

なんかこう、きれいな部品ですね。
底面基板 底面基板(裏) そして基板だけ。

メイン基板にはコントローラが載っています。
スイッチ基板側アップ スイッチ側の基板です。
コントローラーチップ コントローラ。
筐体上面 さて、ようやく筐体上面。こちらには ボールカップとセンサー基板がついてます。
筐体上面分解(表) 筐体上面分解(裏) 分解してみてビックリしたのは、筐体上面が きれいに分解できてしまうこと!モジュール構造になっているのね。

Trackball Explorer とか、エルゴなトラックボールは 筐体に無理矢理ネジ付けるように部材パーツが固定されていることが殆どなのですが、 本機の場合、きれいなボディ構成がまずあって、その外形を エルゴにした、という風に思えます。

まずは前後とボールカップに大きく三分割。
ボタン側筐体上面 ボタン側筐体(分解) ボタン側。よく見るとボタンをうける筐体ぶぶんと、 ボタン面&板バネ部分の二つで構成されています。

さらにボタン側はこんな風に分解されます。

ボタン面をしっかり裏打ちする構造になっていて、 これだけ広いボタン面なのに、 捻れたり横にぐらぐら動いたりしない 安定した押し心地を実現しています。
ボタン面(表) ボタン面(裏) ボタン面です。

板バネの部分がなにやら面白い肉抜き構造をしていますが、 ここら辺に何かノウハウがありそうです。

しかしこうしてみると、きれいだけど複雑な構造なんですね。
ボタン側フレーム(右から) ボタン側フレーム(左から) ボタン側フレーム(裏) そのボタンを支えるフレーム部。

右と左で段差になったボタン板バネ基部を支えるのもあって、 結構折り目のある形。 ここらへんの構造が、本機の筐体のしっかり感に 一役買っているものと思われます。
カップ カップ(基板) カップ部分とセンサー基板。
センサー(チップ側) センサー(カップ側) センサー部分のアップです。

ここら辺は流石に普通。
全筐体 その1 全筐体 その2 最後に、 本機のプラ部品全部集合です。

なんというか、中を見れば その良さが一目瞭然のトラックボールです。 ここまで美しいのはあんまり無いなぁ。

きっちり上手にモジュール化されていて、 こんな風に設計できる設計者を尊敬してしまいます。
ボールが摺れるカップ 本機の末期流通品には、「ボールがカップと摺れる」という不良が かなりありました。

ちょっと見にくいのですが、写真の青丸で囲った部分、 支持球を含む金型の部分のかみ合わせがずれていて、そこだけ 盛り上がっています。ここがボールと当たって摺れ跡が付いています。

もし、かみ合わせ不良が金型の傷みのせいなら、 「傷んだ金型を作り直すのも、新型出すのも採算にあわないから」 と撤退してしまったのでは?・・・などと猫は妄想を逞しくしていたのですが、 本当のところはどうなんでしょう?
大きさ比較 大きさの比較です。

同じメーカなので形のイメージがよく似ていますね。 だからこそ、大きさの違いがよけい際だつというか。 うーむ、本機の存在は「トラックボールはデカい」と言うイメージ 印象づけるのに大変貢献したのではないかしら(;-p

実際、この大きさの差は「手の中に握るモノ」と「手を上に置くモノ」の差。 設置面積の差は殆どなく、むしろトラックボールの方が有利なくらい
ただ、中身が詰まってない感もあいまって、「アメリカーン」な 雰囲気を漂わせてはいますね(^^;
ボールの大きさ ボールとDreamcastのVisualMemoryとの比較です。 (いい加減 Dreamcast なんて古くなって、そろそろ比較対象を別にした方がいいかも)

38mmという径は、QBALL のボールと同じ大きさ。 QBALLのボールは表面ザラザラであまり評判が良くなかったことから、 本機のボールと交換するのがちょっとした裏技でした。 特に本機は秋葉原でお買い得品が流通したことがあって、 それ故ボール取りに使われたかわいそうな個体もけっこう居たとか。

今では信じられない贅沢ですね。
グラビア 猫のトラックボールルームで初めて、絶版になってからのトラックボールのレビューです。 平たく言えば、今回のレビューはTrackball Optical Repair さんに 感化されてのお蔵だしです。(凄いサイトです。思わず「わたしもっ!」となってしまいました)

さて、私の本機の印象って、良くも悪くも「普通」です。 でも、分解するとこれは凄いトラックボールだ、と思い知ります。 でもそれは「凄いでしょ」とアピールする為じゃなくって、 普通を実現するためのモノなのですよね。 なんていうか、プロのお仕事ってこういう感じですよね。

本機は紛れもない名機です。そして おそらく唯一の多ボタン親指トラックボールでした。 それだけに、このままこの血統が途絶えてしまうのは 惜しすぎると思うのです。お願い、Microsoftさん!

<総合評価>

繰球の気持ちよさ 気持ちよさは大玉やルビー支持機には一歩及ばずですが、絶妙のサイズのボールはなかなかの快適さ。
回り出しの滑らかさ 金属球支持は粘る感じがする代わりに、回りだしは比較的良い気がします。
回転中の滑らかさ ルビーやセラミック支持のような滑らかさはありません。
ドラッグのしやすさ 親指型は伊達じゃないです。
対腱鞘炎 「大きいので辛いかな」という印象をよそに、小さな手でも負担無く使えると思います。
コストパフォーマンス 当時は大変リーズナブルでした。
三猫のおすすめ度 ★★★★☆
LogiのTrackMan Wheel が星5つなら、本機5つとれない道理はない・・・のですが、支持球の耐久性に難ありで半分マイナス。でも、それ以外は買ってまず後悔しない、万人に勧められるトラックボールでした。