まめ知識

マウス性能表の読み方 編

マウスのスペックシートをみると、一体それが具体的にはどういう事か 解らなかったりします。そこらへんを少し突っ込んでみます。


トラッキング解像度とミッキー、マウス感度

マウスの性能は解りにくいです。

たとえば「解像度」と呼ばれるスペックがありますが、 これは文脈によって指しているモノが違うと言った有様。 (「画像処理解像度」と「トラッキング解像度」)

トラッキング解像度

dpi(dot per inch)で表現されるのがコレ。 何処まで細かい動きを「動き」として認識できるかの指標です。

物理的にマウスを1インチ(約2.5cm)マウスを移動させたとき、 マウスが何ドット出力するかです。(あくまで点。ディスプレイ解像度と本来は対応してません) メーカによりppi(パルス/inch) count数(カウント/インチ)と言われたりして ます。(こちらの表現の方が誤解がないかも)

物理的に何分の1インチまでの細かさを表現できるか、という指標なのですが、 某OSの場合、入力も出力も論理座標で考えられてないため(インチ・センチじゃなくてドット)です。 つまり、解像度が増えた分、カーソルの動きの最小単位が細分化(なめらかに)するのではなく、 その分画面上のドット数とマウスの物理移動量の比が変わってしまうため、 事実上のカーソル移動速度の係数(マウス感度)になってしまってます。

400dpi
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    │            │
 (本来は)      (現状は)
    ↓            ↓
800dpi
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細かくなる  大きくなる

なので「感度切り替え機能」といったニュアンスで 「解像度切り替え式マウス」なんて銘打っているのもあったりします。 (そういうの一部には、単に400dpiの値を2倍した値を「800dpi」と称し出力してるだけで、 入力値が2の倍数になってたりするものもあるので注意です。)

ミッキー/ドット比

現状のトラッキング解像度と似ています。

1/100インチマウスを動かすことを1ミッキーと言います。 この「ミッキー」に対してミッキー/ドット比を設定することで ソフトウェア的なマウスの感度を決定します。 (画面上でカーソルが1ドット動くのに、 どれだけマウスを動かせばよいか、です。)

つまりこんな感じ

入力パルス(dot)──┬─→移動量(ミッキー)──┬─→マウス感度(ミッキー/dot)
       [トラッキング解像度で変換]    [ミッキー/ドット比]
          (dot / inch * 100)            (mickey / dot)

でも、実際の実装ってそうなっているのです?? (マウスからトラッキング解像度を拾い上げる仕組みって 無いような気が・・・。)


これらの性能指標は、光学式・ボール式に関係なく、 マウスならば全てに当てはまります。

光学式マウスの性能指標

光学式マウス(正確にはイメージセンサ式マウスと言うべき?)の性能指標として こちらにも解像度があります。(^^;

画像処理解像度

要するに、デジタルカメラのイメージセンサと同じ解像度です。 30×30ピクセル のように表記されます。 (デジカメみたいにかけ算しても可)

この解像度が十分にないと、 細かいテクスチャを拾えなくなりますし、極々少ない移動量では 移動前・移動後の違いが解らなくなります。 これは主に光学センサの拾いこぼしに影響する性能指標です。

フレームレート

「フレーム/秒」という単位で、 一秒間に何回イメージを取り込んで 移動検出処理出来るかです。

イメージセンサマウスは、一定間隔で床面の写真をとり、 その画像を比較して移動方向と移動量を計算します。 この採取・移動量検出の間隔が狭ければ狭いほど 素早い動きに対応できるというわけです。

ときどきサンプリングレートという表現も見かけますが、 サンプリングレートという場合は「インプットのレート」 フレームレートという場合は「アウトプットのレート」を 指しちゃっても語意的に問題ないので、 フレームレートの方がより実行性能に近いです。多分。

画像処理能力

「ピクセル/秒」という単位で示されます。たいてい「メガ」とか頭につきます。 1つの画素をどれだけ速く処理できるかという指標のように感じる語感ですが、 実際の所、単なる(フレームレート × 画像処理解像度) のようです。