種類 | 日本語90キーボード (89 + NumLock) |
メーカー | 東プレ |
キースイッチ | 静電容量式スイッチ |
アクチュエータ | ラバードーム |
キートップ印刷 | 含浸印刷 |
コネクタ | PS2(ケーブル着脱式) |
遂にというべきか、やっとというべきか、手を出してしまいました東プレのコニックリング・キャパシティブキーボード。
今回はテンキーレス省スペースキーボードのDG03B0です。
「今回は」って、次はRealforce 106?というつっこみはなしです。いや、時間の問題なんですけどね(笑)
実は猫も最初はRealforce 106を買おうと思っていたのですが、店頭で何気なく打ってみたところ、 その打鍵感に惚れてしまい、ついついコッチを買ってしまいました。
東プレのカタログを見ても、「動作感覚:タクタイルフィーリング」とかかれているとおり、実に猫好みの 打ったぞ感を楽しめます。
その打鍵特性は一言で言えば、(方向性が同じという意味で)ThinkPad的です。
ノートパソコンばりの薄いキートップ、短いストロークですが、その明確なクリック感により大変打ちやすいと感じされるキーボードです。
特に底面に配置されている鉄板からくる安定した打鍵感は、かのThinkPad 600を思い出させます。(と猫は思うのだけど、これは反論がいっぱいくるかも(^^;) )
Realforceとは明らかに違う打鍵特性ですが、しっかりした作りからくる、非常に硬質な打鍵感は他ではちょっと味わえません。 ここまで「粘り」を感じさせないってのは、凄いです。
打っているだけで脳内麻薬でまくりの気持ちよさ、これは癖になります(^^;
以上のように打鍵感に関しては猫大絶賛なのですが、配列に関してはかなりいまいちと感じます。
矢印キーが他キーの中に入り込んでしまっている点、またファンクションキーを2段にしてしまったせいで、
F7やF8など、IMEでよく使うキーが変則配置になっている点が非常に打ちにくく感じます。
せっかく7段配列ですし、どうせならThinkPad配列にして欲しかっところです。
またエンターキーの処理はかえって打ちにくく感じます。 低くなっているところを小指でつついちゃうんですよね(^^;
そんなこんなで、打鍵感満点、配列ちょっと・・なキーボードですが、
恐ろしいまでの作りの良さ、そして持ち歩きも楽々な抜群のコンパクトさから、
どこでも最高のキータッチで仕事が出来る素晴らしいキーボードです。
(と、いういいわけで購入するのも一興かと(^^;) )
ThinkPadのキータッチが好きな人には、この打鍵感、文句なしにお勧めできます。
欲を言えばThinkPad配列にして、トラックポイントが欲しいな〜ってとこかしら。(^^;)
このキーボード本当に打ってて気持ちいいのですが、強力すぎるクリック感は賛否が分かれるところかもしれません。 猫自身も高速タイピングに向いてる?と聞かれると、どうなのかしら?と思う時もあります。
また、小指打鍵キーはRealForceのように低めの押下圧に設定されたりしてないので、なまじクリック感が強いだけに気になります。
ThinkPad的と評しましたが、ストロークと押下圧の考え方というか、そこら辺の方向性が似ているだけで、
機構が全然違うだけにやはりキータッチは違います。
このキーボードはクリック前の反発は強いものの、一度クリックを超えた後の反発はほとんど在りません。
まるで、キートップの重みでキーがそのまま沈み込むような錯覚を覚えます。なので、押した勢いはそのままダイレクトに底板にぶつかってとまる感じです。
ThinkPadもクリック感を強く感じますが、このキーボードと比べるとクリック後の打鍵の勢いにブレーキをかけてくれるのが解ります。
総じてこのキーボードは、ThinkPadのキーボードをもっと尖らせた感じがしますね。(笑)
このキーボードの味である、キレのある「コトンッ」とした感触を心地よく感じるか不快に感じるかで、このキーボードに対する評価は大きく分かれると思います。
「コトンッ、コトンッ」という音を響かせながらの打鍵は、猫にとってはまたたびみたいな常習性があります。
文字を打ちたくなるというよりは、キーを押したくなってしまうのが玉に傷なキーボードです。
追記(2003.11.09)
東プレのキャパシティブ コンパクト キーボードは、 2003年春出荷分から型番がMD01B0に変更になりました。
Shop Uの商品紹介ページによると この型番変更は基盤材質を変更したためのものだそうで、 形状や性能は変わっていないそうです。
DG03B0を買って、最初に目にするのがこの外箱です。 最初に見たときフルキーボードと間違えちゃったかと不安になること請負です。 実際、重さもそこいらの安キーボードよりは重いですし、知らない人には パッケージを見てミニキーボードだとは絶対解りません。 「L」と「R」の切り抜き文字がお茶目ですね。 |
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DG03B0の内容物一式です。
ケーブルと本体だけですが(^^; ケーブル着脱式というのが設計された時代を感じさせます。 |
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で、これが取り外し式ケーブルのコネクタです。 コネクタ形状はPS2です。 |
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背面です。 ネジも1カ所で、梁などの構造もない非常にシンプルな作りになっています。 まさに裏蓋。 |
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背面ラベルです。 REVISION欄のA〜Mが黒マジックで消してあるのが気になります。 このキーボードの型式体系はどうなっているんでしょうね? |
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チルトスタンドとゴム足です。 ゴム足は広い面積をもち、スフィア状の滑り止めパターンが施されており 滑り止め効果に期待が持てます。 チルトスタンドもがっちりとしていて、コスト削減なんて意識は微塵も感じられません。 |
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ちょっと気になるのはファンクションキー周りの配列です。 ファンクションキーを2段構成にしたせいで、日本語IMEを使う際、もはや定番となったF7〜F10までのキーが 特殊で遠い配置になってしまいました。 同じ7段配列でも、ここら辺はThinkPad配列のように違和感がないように納めて欲しかったところです。 |
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冷遇されているファンクションキーとかわって、何故か優遇されているNumLock、PrintScreen、ScrollLock、Pauseキーです。 サイズもメインキーと同じ・・・。う〜むぅ? |
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矢印キー周りも、ノートパソコンよろしくメインキーに食い込んでいます。 猫的にはこれは好みではないんですが、「↑」「↓」キーのみ縦長のキートップを採用しているおかげで、 さわってすぐ解るというのは、よいですね。 |
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CapsLockキー、NumLockキー、ScrollLockキーにはLEDが埋め込まれています。 正確にはキーそのものは窓が開いているだけで、LEDは底面の基盤に直づけです。 静電容量式ということで、プリント基板が底面いっぱいに広がっている構造なので、 このような機構をとってもそれほどコストアップにはならないのかな?って思います。 |
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AltキーとCtrlキーです。 何故かAltが優遇されています。業務用途ではALTのほうが使われるのかしら? |
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そして気合いの入った形状のEnterキーです。 でも、猫にはかえって打ちにくく感じるんですけど・・。 |
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キートップの文字はかなり大きめに印字してあります。
特に記号キーが見やすいです。 こういう大きめの印字は反面うるさく感じる者ですが、書体のせいかそれほど煩わしく感じません。 ちなみにキーの印字はは含浸印刷です。 |
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さすがにこの薄さですので、タダのステップ構造です。 | |
筐体を開けてみます。 筐体は上部のみねじ止めで、後ははめ込みになっています。 はめ込みの爪は上下の側面に4カ所在ります。 内部構造がしっかりしたキーボードでは筐体はシンプルに止めてあるだけのが多いですね。 |
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筐体のねじ穴です。 直接プラスティックにねじを切っているのではなく、筐体にねじ受けを埋め込んであります。 1万6800円(税抜)という価格に納得する瞬間です。 |
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キーボートの中身です。 このキーボードにとって筐体はもなかの皮みたいなもんなので、 中身だけでも問題なく動作します。 |
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横から見てみると、分厚い鉄板の下にプリント基板が挟み込まれている構造をしているのが
解ると思います。 鉄板自体の厚みも結構あり、打鍵してもびくともしません。 |
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背面には、ノイズ防止用と思われる金属シートが張り付いています。 |
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このシート、PS2コネクター部とつながっていて、どうやらちゃんとグランドをとっているみたいです。
分厚い鉄板があるのだから、そこに逃がせば、とも思うのですが、
コニックリングにも近いですし、何かと悪影響を与えるのか、コネクタ経由で逃がしているのですね。 ・・・と、思うのですが、間違ってるかも(^^; ちなみにちょうど対称の位置はシートがワッシャをかませたネジで止めてあり、金属板と導通させています。 |
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何故か裏面右下だけ、ゴム足テープのようなものでシートが止めてあります。 厚みのあるゴムのテープで留める理由はよくわかりません。 余談ですが、私の買ったものは最初っからこの裏面シートが指紋だらけでした。 たまの新品なのにちょっと興ざめ。 |
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金属シートをめくってみると、プリント基板が顔を出します。 | |
裏のプリント基板をハズしてみます。 しっかりネジ止めされているプリント基板をはずすと、ラバードームと鉄板、スライダが 見えるハズ、、だったのですが、圧着されていたせいか、大半のラバードームはプリント基板側にくっついていっちゃいました。 一部中途半端にくっついていって散乱したゴム椀とコニックリングが涙を誘います。 このキーボードは組み立てるの大変そうです。あけなきゃ良かったかも(^^; |
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気を取り直して・・。 プリント基板を外すと、スライドレールが固定された金属板の上にラバードームの成形されたシートが乗っています。 シートはメインキーの部分とそのほかのキーの部分で成形色が違います。 メインキーは全て一体形成のシートになっています。 |
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アップです。 ラバーシートの切り欠け部分に、ちょうど基盤の部品がくるようになっています。 また、鉄板上に固定されている金色の部品は、プリント基板を止めていたネジを受けるネジ受けです。 ちなみに上の写真ともども、筐体に乗っているのは、キーが押されてコニックリングが飛び散らないようにです。 |
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覆い被さっていたプリント基板です。 基盤自他はいたってシンプルなのですが、コントローラ部とおぼしきところは結構 いろいろついています。 静電容量スイッチのためなのか、はたまたNキーロールオーバーのためなのか。 |
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サークル上のパターンと、それの横に小さな部品がついています。 シルクスクリーンで印刷された「39-DG-0103」というのは本機の型番と微妙に被ります。 が、よくわからないですね。 |
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コントローラチップ周りです。 コメントしようにもさっぱり解りません(^^; |
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ラバーシートとコニックリングを外したところです。 このキーボードを支えるフレームとなる鉄板に固定されたスライダ・シリンダ機構は 一つ一つのキーで独立したユニットになっています。 う〜ん凄いわ。 |
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鉄板下面に型番と製造年月(?)とおぼしきシールが貼られています。 | |
キートップを外します。 キートップとスライドするシリンダ部が完全に別成形です。 スライドレールとスライダがユニット化していて、このユニットが直接鉄板部に固定されています。 ここまでやるって感じですね。 |
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シリンダ部の動きです。 中央部の円筒形のものがスライドします。 | |
裏側から見るとこんな感じです。円筒の両側にに扇状のガイド(?)が二つついています。 | |
ラバードームとコニックリングです。裏面から見たところです。 こんな感じで乗っかっているだけなので、組み立てるのは面倒くさそうですね。 |
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このコニックリングが圧縮されることで変化する静電容量の変化を関知してキースイッチが入るわけです。 東プレの解説どおり、ほとんど抵抗感がなくつぶれます。 ですので、ラバードームの特性を純粋に打鍵感のためだけに決められるとのこと。 |
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ラバーシートです。 一見普通のラバードームです。ドーム内側のポッチはコニックリング頂点がずれないようにするもので、 これでスイッチを押すものではもちろんありません。 |
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コニックリングの静電容量変化を受ける部分がここです。 サークル状のパターンの上にコニックリングが来ます。 |
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スペースバーのラバーは片方穴があけられていますが・・、
これ円がゆがんでいますし、なんだか手作業でカッターで切っているかも。 |
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メインキー以外のラバーシート、全て同じ形状をしているのですが、なにげにナンバーが入っています。 ここら辺のキーの押下圧を個別に変えても意味がなさそうなのですが・・。 |
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たぶん作業する上での都合でついているだけだと思うのですが、
意味がなさそうと思いつつもどうせあけたのだから、と調べてみました。 本当に意味がないのか、それともあるのかは神と東プレのみぞ知る、といったところです。 |
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小さくて軽くって、しかもこの打鍵感。もう出先で嫌〜なキーボードにであったらすぐ出動です。 ここまで粘りのないクリック感というのは他にはちょっと見あたりません。さすが東プレ。 これだけで大満足なんですが、猫の個人的趣向としてはThinkPad配列になって、トラックポイントがついたら完璧です♪ |
キートップの手触り | プラというより、石のような手触り。つるつるです。 |
打ったぞ感(クリック感) | 雑音のないクリック感。花丸。 |
省指力 | 公称40gという押下圧。が、力がほとんどいらない感触。さすが東プレ。 |
対腱鞘炎 | 配置は(エルゴという意味では)ごく一般的。ただのステップ構造なのはホントはマイナスですが。 |
コストパフォーマンス | 値段は高いのです。でも納得のお値段。 |
三猫のおすすめ度 | ★★★★☆ |